中国各地の学校が春節(旧正月)の休みに入るなか、公立校の教師に「有料の補習をしてはいけない」との通知が出されている。休暇中に生徒を募って私的に開講したり、塾の講師になったりして稼ぐ教師が多いのが原因。政府は「道徳違反」として取り締まりを強めるが、「有料補習は必要」との声も根強い。
遼寧省瀋陽市は1月、教師が有料補習で稼いだ場合は「全額返還させる」と通知した。黒竜江省ハルビン市も昨年末、違反者は教員資格の停止も含め厳しく処分するとし、河北省や青海省も同様の通知を出した。
地方で相次ぐ「禁止令」のきっかけは、2015年の教育省の通知だ。教師が生徒を有料補習に参加させるために、学校の授業でわざときちんと教えないなどの問題を指摘し、有料補習を禁じた。
SNSでは取り締まりを評価する声の一方、「教師の給料が少ないのが原因」との指摘や、「学校の教師による補習は塾より安く合理的」「よく知らない塾の先生より学校の教師の補習がいい」などと有料補習を支持する意見も根強い。(瀋陽=平井良和)