将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(16)と、師匠の杉本昌隆七段(50)が参戦している将棋名人戦・C級1組順位戦(朝日新聞社・毎日新聞社主催)の昇級争いが、混戦模様になってきた。一つ上のクラスのB級2組への昇級者2人の枠を39棋士が争うが、5日に行われた対局で、今期順位戦で無敗を誇ってきた藤井七段と杉本七段がともに敗れ、昇級の行方は3月5日の最終戦まで持ち越された。藤井七段が自力で昇級する可能性は消え、師弟がライバルとなる厳しい展開になりそうだ。
5日あった10回戦は、藤井七段=8勝0敗=が近藤誠也五段(22)=7勝1敗=と、杉本七段=8勝0敗=が船江恒平六段(31)=7勝1敗=と対局。藤井七段が勝てば、デビューからの順位戦の連勝記録を伸ばし、19連勝の新記録を達成するとともに、師弟が2人とも勝った場合は、最終戦を待たず、師弟同時昇級が決まる状況だった。
だが、2人とも敗れ、4人が8勝1敗で並んだ。
順位戦では、同じ成績だった場合、順位が上の棋士が優先される。今期の順位は近藤五段が6位、杉本七段が7位、船江六段が14位、藤井七段が31位。昇級争いのトップを師匠と並走していた藤井七段は、5日の敗戦で4番手に後退した。最終戦で4人とも勝った場合、順位が上の近藤五段と杉本七段が昇級する。順位4位で、7勝2敗の高崎一生(いっせい)六段(31)も含めた5人に昇級の可能性がある。
藤井七段が昇級するためには最…