訪日外国人観光客の急増などを受け、九州や沖縄の医療現場で外国人が直面する問題の解決を助ける新組織が6日、発足した。九州経済連合会などが設立した「九州国際医療機構」で、診察時の外国語対応などを病院にサポートする。
機構の代表理事には、九州大病院の赤司浩一病院長が就任。ほかに12病院の代表者らが理事に名を連ねる。
外国人の患者は、日本語を使う医療スタッフと意思疎通がうまくできないなど言葉の壁にぶつかることが多い。宗教上の理由で、男性医師に対する肌の露出を避ける患者もいる。
機構は医療スタッフ向けのセミナーを定期的に開き、注意点などを伝える。健康診断や治療を目的に来日する「医療ツーリズム」も後押しし、病院に仲介企業を紹介する。
2017年、九州から日本へ入った外国人は約494万人となり、6年連続で過去最高を更新した。機構を活用して受け入れ態勢を整え、さらに外国人客を増やす狙いだ。九経連の麻生泰会長は記者会見で「病院の国際化対応力を磨く。九州経済にとっても非常に大事だ」と語った。(山下裕志)