大阪大病院(大阪府吹田市)は8日、脳死判定されたドナーから、東京都内の30代男性に小腸を移植したと発表した。移植は昨年10月で、今年1月、退院した。その後の経過も順調で、栄養をとるため、常時体につないでいた点滴が必要なくなったという。
病院によると、小腸移植は海外では広く行われているのに対し、国内では昨年まで公的医療保険の対象になっていなかったこともあり、27例とあまり広がっていなかった。技術的にも難しいという。今回は保険適用後3例目で、成人は初めて。
男性は2010年、潰瘍(かいよう)性大腸炎と診断された。その後も血便が改善せず、大腸の一部と小腸のほぼすべてを切除。24時間点滴で栄養をとる生活をしていたが、血管の状態や肝臓の機能が悪くなっていた。16年から脳死小腸移植を待っていたという。ドナーは30代女性。
会見に同席した男性は「点滴で…