「北方領土の日」の7日、北方領土返還要求全国大会が採択したアピール文から、例年使ってきた「北方四島が不法に占拠されている」との文言が消えた。ロシアを刺激しないようにする狙いがある。政府の方針を反映し、地元・根室や元島民の意識も揺れている。だが、ロシアは強硬姿勢を崩していない。
内閣府と元島民の団体などでつくる実行委員会が主催した全国大会が開かれた東京・隼町の国立劇場。返還運動関係者や衆参両院の議員ら例年より2割も多い計約1800人が駆けつけた。安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が昨年11月、平和条約交渉の加速で合意したことへの期待感が参加者を増やしたようだ。
壇上の旗は、緑地に白で大きく「北方四島を返せ」と例年通りのものを使ったが、大会最後に採択したアピール文は変わった。少なくとも過去10年は毎年入っていた「北方四島が不法に占拠され」という表現を削除。「解決がこれ以上長引くことを断じて許すわけにはいきません」という文言もなく、「北方領土問題の解決を目指す」との表現になった。
アピールの文案づくりは主催者…