最高裁がこのほどまとめた2018年の個人の自己破産申立件数(速報値)は、前年比6・2%増の7万3084件だった。増加は3年連続で、件数は12年以来6年ぶりの多さ。増加要因の一つとみられる銀行カードローンの過剰融資は抑制されたが、自己破産は増加基調が続く。
銀行カードローン、8年ぶり減少 自己破産申し立て増加
自己破産件数は、かつて消費者金融の多重債務が社会問題となり、貸し付けが規制されたことから、03年の約24万件をピークに減っていた。しかし消費者金融と同様のサービスながら規制外の銀行カードローンの貸出額が13年ごろから急伸。自己破産件数も16年に13年ぶりの増加に転じ、その後も増えていた。
過剰融資への批判から銀行界は融資を抑制し、昨年末時点のカードローン残高は8年ぶりに減少。ただ、過剰融資が破産に至るには時間差があり、自己破産の増加傾向はまだしばらく続く可能性がある。(藤田知也)