中国政府によるトルコ系の少数民族ウイグル族に対する人権侵害が指摘されている問題で、トルコ外務省が9日に非難する声明を出しました。「中国当局によるウイグル族への組織的な同化政策は、人類にとって大きな恥だ」。経済的な結びつきを強めてきた中国に当てた激しい言葉は、SNS上で広まった「一人の音楽家の死亡情報」がきっかけでした。トルコが抱える事情とは、ウイグル問題とは何なのか、専門家に尋ねました。
「拘束の音楽家は生きている」ウイグル問題で中国が反論
「反抗すれば24時間立ち続け」ウイグル収容施設の実態
国際ニュースを解説「今さら聞けない世界」
中国のウイグル族は約1千万人おり、多くがイスラム教徒で、主にかつてのシルクロード沿いにある西部の新疆ウイグル自治区に住んでいます。この地区への注目が昨年9月、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が出した報告書で一気に高まりました。報告書は、中国では「再教育施設」と呼ばれる場所で、中国共産党への服従やイスラム教の放棄を迫られ、時に拷問が繰り返されていると指摘。さらに、「信頼できる統計として、(ウイグル族ら)約100万人が収容所に拘束されている」とし、「1966~76年の文化大革命以降、例を見ない規模で人権侵害が行われている」として中国政府を非難しました。中国政府は「言いがかりだ」として反発しています。
トルコ外務省が出した今回の声…