2024年度から勤務医に適用される残業時間の罰則つき上限について、厚生労働省は20日の検討会で、一部の勤務医を対象とする特例の上限を「年1860時間」にすると提案した。「年1900~2千時間」としてきたが、勤務実態調査などをもとに引き下げ、具体的な値を初めて出した。
厚労省案では、一般勤務医の上限は年960時間。これでは地域医療を守れない場合は、特例を適用できる。35年度までの期間限定とし、適用できる施設をしぼる。対象の医師には連続勤務を28時間以下にし、次の勤務までに9時間の休息の確保を義務づける。
研修医など技能向上のために集中的に診療が必要な医師への別枠の上限案も示された。24年4月時点では特例と同じ「年1860時間」とし、期限は設けない。将来的に引き下げを検討するという。今春以降に適用される一般労働者の上限は年最大960時間。特例はこの2倍近い水準で、複数月で平均月80時間という脳・心臓疾患の労災認定基準も大幅に超える。
厚労省が特例の上限時間の根拠…