楽天の子会社「楽天モバイルネットワーク」は20日、10月に本格参入する携帯電話事業の説明会を開いた。巨額の専用設備をそろえる従来の通信網とは違い、安価な汎用(はんよう)設備やクラウド技術を使うことで、コストを抑制。通信料金を格安スマホ並みに抑えつつ、高品質で安定した通信を提供できると強調した。
楽天は現在、NTTドコモとKDDI(au)から通信網を借りて格安スマホ事業を展開している。10月からは自前の通信網を整備し、ソフトバンクを含めた大手3社に続く「第4の携帯会社」となる。
この日は、通信網の試験をする東京都内の設備を公開した。サーバーなどの設備は汎用品を使い、様々なソフトウェアは設備から切り離してインターネットなどを介して管理するクラウド技術を活用。設備そのものをいじらなくても、遠隔地からソフトウェアを一斉に更新したり、不具合があった場合に素早く解決したりできるとした。楽天の三木谷浩史会長兼社長は「今までの概念を根底から覆すネットワーク。世界に先駆けた新しい試みになると思う」と話した。
楽天は10月の参入時までに東京23区と大阪市、名古屋市を中心に自前の通信網を整備。それ以外の地域は当面はKDDIの通信網を借り、2025年度までに全国で自前の通信網を展開する計画だ。(生田大介)