右ひじを痛めていた大リーグ・カブスのダルビッシュ有(32)が復帰登板を果たした。マイナーリーグで投げた昨年8月19日以来となる実戦登板は26日、ダイヤモンドバックスとのオープン戦だった。多くのファンがスタンドから見つめる先発のマウンドに立った背番号「11」。その心にわき出たものを、そしてこれからの自分をまっすぐな言葉で語った。
再びマウンドに帰ってきた喜びを感じていた。「今日は大丈夫かなとか、また痛みが出るのかなとか。自分とせめぎ合う登板日ならではの感覚はあった。でも、またこういうことを味わえるのは、すごく幸せなことだなと思った」。6年総額1億2600万ドル(約139億円)の大型契約でカブスに移籍した昨年は8試合で1勝3敗に終わった。右ひじの痛みと闘っていたという。「投げたあとはひじが曲がらないぐらい腫れていた」と振り返る。
緊張も口にした。「球場までの車のなかは息がしづらかった。以前は強がって緊張しないと言っていたが、登板日は違います」。そして安堵(あんど)した。最速は96マイル(154キロ)を計測。「痛みなく投げられたことが自分にとってはものすごく大きかった」。変化球の制球に苦しんだが、それは想定の内だった。「スライダー、カーブは自分の一番の生命線。きょうは最初の試合で気持ちのコントロールがものすごく難しかったし、制球は戻ってくるものだと思う」と話した。
ファンの温かさも感じた。1回3分の1を投げて無安打に抑えたが、4四球を出すなど2失点(自責点は1)にもベンチへ戻るダルビッシュにスタンドからは拍手が送られた。「昨年は何もしていないし、ブーイングが来るかと思ったけど、『帰ってきたね』という意味に受け取りました」と笑みがこぼれた。
今年からダルビッシュは通訳を…