米朝首脳会談の結果をめぐり、北朝鮮のメディアは2日までに、合意に至らなかった結果などを伝えていない。トランプ米大統領への批判も控えている。首脳外交を行った金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の権威を守るためとみられる。
脱北した元党幹部によれば、平壌の党幹部らから会談の経緯をめぐる問い合わせが相次いでいるという。元幹部は「ハノイの代表団が平壌に結果を伝えていないのだろう」とみる。トランプ氏と会談した正恩氏に批判が向かないよう、北朝鮮当局が対応に苦慮しているとの見方も示した。
国内向けニュースとして発行される労働新聞(電子版)は1日付の記事で、「金正恩委員長は、トランプ大統領に謝意を表し、新たな対面を約束した」と伝えたが、合意文書の発表が中止された事実は伝えていない。
李容浩(リヨンホ)外相らは1日未明、ハノイで米国の説明に反論したが、トランプ氏への批判は避けた。別の元党幹部は「トップ外交を選んだ正恩氏の批判にもつながるため、会談相手のトランプ氏を批判できないのだろう」と語る。
北朝鮮の中央テレビは、昨年6…