2020年東京五輪・パラリンピックの機運を盛り上げようと、政府による文化プログラムの中核「日本博」の旗揚げ式が3日、東京都千代田区の国立劇場であった。文化庁の宮田亮平長官が自らデザインしたというロゴマークを発表。同日から始まった歌舞伎の公演を皮切りに、五輪後も含めて全国で数百の催しが開かれる予定。
この日公表されたロゴは、赤い丸に「日本博」の文字がかたどられ、「大海原に連なる雲の間から昇る太陽」を表現しているという。金工作家でもある宮田長官がデザイナーらの意見を聞きながら考えた。
文化プログラムは五輪憲章で大会組織委員会に開催が義務づけられており、公式なものは組織委が「東京2020NIPPONフェスティバル」などとして開催する。一方、この機会に幅広く機運を盛り上げようと東京都や政府が認証する文化プログラムもあり、それぞれにロゴがあるため、日本博のロゴは5種類目。
旗揚げ式では、和太鼓演奏のパイオニアとして知られる林英哲さんらによる大太鼓合奏曲の演奏があったほか、この日から始まった歌舞伎「元禄忠臣蔵」の中村扇雀さんや「積恋雪関扉」の尾上菊之助さんらによるトークもあった。菊之助さんは「文化の交流は心の交流。文化の交流が国と国の架け橋になっていると感じる」、扇雀さんは「日本博では、日本で培われた文化の素晴らしさを、海外の方だけでなく、日本に生まれ育った方にも再認識していただきたい」と話した。(上田真由美)