1964年東京五輪のとき、三波春夫さんらが歌い、街で盛んに踊られた東京五輪音頭。2020年向けに大会組織委員会が「新音頭」を企画したが、広がりがいま一つだ。「踊りの動きが速すぎる」との苦情が相次ぎ、この夏、踊りを簡素化することに。それでも「速い」との声が上がり、組織委は「次の一手」を迫られている。
新音頭は「東京五輪音頭―2020―」。組織委が東京五輪音頭のテンポと歌詞、振り付けを現代風にリメイクし、昨年7月に発表した。歌詞は1~5番を石川さゆりさん、加山雄三さん、竹原ピストルさんの3人が歌い、音色もリズムも変わる。
振り付けを担当したのは、星野源さんらのミュージックビデオも手がける振付家、井手茂太(しげひろ)さん(46)。「ダンスの要素を取り入れてもらう」(組織委担当者)との人選だった。
組織委は井手さんに、空手や野球、サーフィンといった新競技やパラリンピック競技の動きを入れるように求めた。井手さんは、踊りの動きが速すぎて踊れないのではないかと組織委側に伝えたという。
実際、新音頭の公表後、組織委…