「働き方改革」と言われても残業が減ることくらいに思っている人もいるだろう。実は筆者もその一人だ。しかし、その改革には不都合な真実が隠されているらしいと二人のチーフから教えられた。「家売るオンナの逆襲」(日テレ系)の三軒家(北川景子)と「ハケン占い師アタル」(朝日系)の大崎(板谷由夏)だ。
三軒家チーフは、輝く女性の働く場を広げるという「ウーマンプロジェクト」に参加する(7話)。一緒に参加する子育て真っ最中のワーキングママは保育園の近くに家を探している。その彼女に三軒家は保育園から遠い家を紹介。そこは彼女の夫の会社に近く、その会社には託児所ができるので夫を育児に巻き込むという作戦だ。三軒家は「女性に仕事と家事を両立させるためのプロジェクトならば、そんなものはくたばってしまえ」と言い放つ。たしかに、「輝け!」と迫られるのは女性だけだ。
一方の大崎チーフは、リストラ候補を出せと部長から指示される(6話)。しかしできない。会社は定時退社を促しながら仕事に負荷をかけてくる。大崎は悩んだ末、改革に乗じたリストラを見事にはね返した。
考えてみれば、労働力不足なのに「働き方改革」で残業が減るのは変だ。家事負担が増える「輝く女性」や生産性向上という名のリストラが隠されていないだろうか。(都築和人)