2017年9月、神戸市の街路樹の桜の木に「ぼくのだいすきな木をきらないでください」と書かれた「小4男子」の手紙がくくりつけられ、伐採の理由を説明する市職員との「文通」が話題になった。桜の木は伐採されたが、東京で接ぎ木され、苗木になって26日、同じ場所に植えられた。手紙を書いた男子児童も手伝い、笑顔を見せた。
桜の木は阪急六甲駅近くの灘区篠原北町1丁目の歩道にあった。「小4男子」からの手紙に、街路樹を管理する市職員の志方功一さん(41)は、「街路樹(がいろじゅ)を大切(たいせつ)に思(おも)ってくれてありがとう。このサクラは、幹(みき)の半分以上(はんぶんいじょう)が傷(いた)んでいて倒(たお)れる危険(きけん)が大(おお)きいことがわかりました」「みんなの安全(あんぜん)が大事(だいじ)なのでしかたなく伐採(ばっさい)することになりました」という返事を書き、桜の幹に結んだ。
その後、2通目の手紙が同じ木に再びくくりつけられた。「また桜の木を植えてほしい」「まちが元気になるようにしてほしい」との思いが記されていた。
一昨年12月、この桜の木を巡るやりとりを新聞記事で知った東京都立農業高校(府中市)の造園部顧問、田口喜朗さん(51)が、接ぎ木による苗木づくりを、志方さんに提案した。
桜の木は昨年1月に伐採された…