東日本大震災から8年になるのを前に10日夕、米ニューヨークの教会で追悼式典が行われ、400人余りが参加した。震災の翌年から現地在住の日本人らが中心になってボランティアで開催を続けており、主催者代表で音楽家のAK(アケミ・カキハラ)さんは「もう一度『忘れない』と伝えたい」と呼びかけた。
式典では、宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区で小学5年生のときに被災し、震災体験の語り部としての活動に取り組む三浦七海さん(19)が登壇。家が流され、避難所で16日間過ごした三浦さんは「いつも誰かがうつむいていて、泣いていて、怒っていて、大人は生きる気力を失っていた」と振り返り、「全国、世界からの支援で生きられたと小学生ながら感じた」と語った。
三浦さんは現在、カナダ・トロントでワーキングホリデー制度を利用して働きながら英語の上達を目指しており、将来は英語でも震災体験を語っていきたいと考えているという。(ニューヨーク=鵜飼啓)