ミャンマー西部ラカイン州で9日深夜、警察署が襲われ、警察官9人が死亡した。同州では1月、仏教徒の少数民族武装勢力アラカン軍(AA)が警察施設を襲撃し、警察官13人を殺害しており、治安部隊との緊張が高まっていた。
仏教徒らの武装勢力が襲撃、警官13人死亡 ミャンマー
10日の時点で犯行声明はないが、地元メディアは国軍などの情報として、AAのメンバー約100人による襲撃とみられると伝えている。
地元メディアによると、襲撃があったのは同州の州都シットウェーの北約50キロの村。複数の警察官が負傷、行方不明になっているとの情報もある。
同州ではAAが自治権拡大を求め、国軍など治安部隊と衝突を繰り返しており、これまでに約1万人の住民が避難。1月の襲撃以降、国軍は同州で兵士を増員していた。
同州からは少数派イスラム教徒ロヒンギャ約70万人がバングラデシュに難民として逃れている。ミャンマー政府は難民帰還を進めようとしているが、国際機関などは治安悪化を理由に「帰還を急ぐべきではない」などと忠告している。(ヤンゴン=染田屋竜太)