福島第一原発で最初の水素爆発が起きてから丸8年となる12日、東京電力の旧経営陣3人の刑事裁判が最終弁論の節目を迎えた。無罪主張を続ける姿に、今も避難生活を続ける福島の人々はやるせなさをにじませた。
東電の勝俣元会長「深くおわび」原発事故、被告人質問
東電の旧経営陣、改めて無罪主張し結審へ 強制起訴裁判
午前10時前にスーツ姿で出廷した被告3人は法廷に向かって一礼すると、弁護団の後ろに着席し、締めくくりの審理に臨んだ。
「3人は無罪です」。最終弁論の冒頭、弁護人は2017年6月末の初公判の時と同様の主張を鮮明にした。責任ある立場にあった者としておわびしなければならないが、刑事責任を問われるのは違う――。こうした立場を堅持した3人は、手元の資料を確認しながら弁論を聞いた。時折、目線を上げ、裁判官の様子をうかがうようなしぐさも見せた。
ちょうど8年前。東日本大震災の発生翌日となる11年3月12日、1号機が水素爆発を起こした。
「体質は変わらなかった」。福…