「花組、サイコー!」。宝塚歌劇団の花組トップ娘役・仙名彩世(せんなあやせ)のサヨナラショーが11日あり、本拠地の宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)に別れを告げた。ともに先頭を走り続けてきたトップスター・明日海(あすみ)りおに見守られ、愛に満ちた、かけがえのないひとときになった。
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遅咲きゆえ「卒業ずっと意識」宝塚トップ娘役・仙名彩世
仙名は、宮城県名取市生まれ。東日本大震災から8年となるこの日、故郷や花組への思いを、舞台で爆発させた。
ショーの冒頭は、紫の羽根を背負って登場。ハイヒールで銀橋を駆け抜け、粋にウィンクもきめた。フィナーレは「♪最高級ワインをあなたに~」の歌詞にのせ、花組の仲間と乾杯のジェスチャー。両手を広げて明日海に抱きつくと、幸せいっぱいの表情をみせた。
緑のはかま姿であいさつに立つと、「本日は、東日本大震災から8年になります」と語り出した。8年前の3月11日、故郷が大きな被害を受けた。「各地で追悼の行事が行われている中で、私がこうして卒業の祝福をいただけることに、心の葛藤も感じております」と声をつまらせ、こう続けた。「ですが、8年前に宝塚に戻って、舞台を務めると決意したからこそ、私は今、この場に立たせていただいております。あのとき私の背中を押して下さいました全ての方々に、心から感謝申し上げます」
一方で、明日海への思いは、終…