20日にさいたま市で開幕したフィギュアスケートの世界選手権で、16歳の紀平梨花(関大ク)が日本女子初の初出場優勝を狙う。国際大会6連勝中で順風満帆にみえるが、昨夏、紀平の自覚が芽生える「事件」が起こっていた。
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四大陸Vの紀平梨花、取材前に「イタリアンに…」
昨年7月下旬、グランプリ(GP)シリーズのNHK杯の開催国枠選考会の日だった。紀平は今季のGPシリーズは、フランス杯の1戦しか出場権を持っていなかった。GPファイナルに出場するには、GPシリーズ1試合だけでは極めて難しい。選考会はファイナル進出を占うほどの価値があり、3年後の北京冬季五輪をめざす紀平にとってはとても大切な試合だった。
それを、ずっとそばでサポートしてきた母の実香さんは分かっていた。
なのに、当日午前の練習だった…