目標に掲げた「開幕1軍」どころか、開幕スタメンも見えてきた。ロッテのドラフト1位ルーキー藤原恭大(大阪桐蔭高)が、1週間後に迫った開幕戦へ猛アピールを見せている。19日の西武とのオープン戦で満塁から走者一掃の三塁打を放つと、21日の阪神戦では「1番・中堅」で先発出場し、2安打1盗塁。試合後に井口資仁監督は「今のところ開幕1軍で考えている。(開幕)スタメンもありえる」と明言した。
最新の試合結果はこちら
2リーグ制後、開幕戦で高卒ルーキーが先発出場すれば2013年の大谷翔平(日本ハム、現エンゼルス)以来、プロ14人目。ロッテでは、1965年の山崎裕之までさかのぼる。
昨年の甲子園で春夏連覇に貢献した18歳は、プロの世界でもフルスイングを貫いている。「このスイングでずっとやってきたから、変えるつもりはない」と、追い込まれても、どんな状況でも、体がのけぞるほどの豪快なスイングはぶれない。
3球団の競合の末に入団した大型ルーキー。球団の期待も大きく、29日の開幕戦では藤原の音声付きフィギュア(3千円)を発売すると発表した。タオルやTシャツなどのグッズも、品切れが出るほど売れ行きは好調だ。
オープン戦は残り2試合。「まだまだ力不足。一日一日を大切にして、自分がやるべきことをしっかりやっていきたい」。球団では54年ぶりの快挙へ、気負いはない。(山口裕起)
◇
高卒ルーキーの開幕スタメン出場選手(出場年、ポジション)
①中西太(高松一―西鉄) 1952年 7番三塁手
②榎本喜八(早稲田実―毎日) 1955年 5番一塁手
③谷本稔(八幡浜―大映) 1955年 7番捕手
④並木輝男(日大三―阪神) 1957年 6番右翼手
⑤王貞治(早稲田実―巨人) 1959年 7番一塁手
⑥張本勲(浪華商―東映) 1959年 6番左翼手
⑦矢ノ浦国満(東筑―近鉄) 1960年 7番遊撃手
⑧山崎裕之(上尾―東京) 1965年 7番遊撃手
⑨飯田幸夫(横浜―近鉄) 1966年 1番遊撃手
⑩立浪和義(PL学園―中日) 1988年 2番遊撃手
⑪炭谷銀仁朗(平安―西武) 2006年 8番捕手
⑫駿太(前橋商―オリックス) 2011年 9番右翼手
⑬大谷翔平(花巻東―日本ハム) 2013年 8番右翼手