少しの違いで大きく変わる人生――。稲垣吾郎が出演する「LIFE LIFE LIFE―人生の3つのヴァージョン」(作ヤスミナ・レザ、台本・演出ケラリーノ・サンドロヴィッチ)は、それを思い起こさせる演劇だ。稲垣は「単純な三つの比較ではなく、微妙な違い。この面白さをうまく見せたい」と語る。
演じるのは天体物理学者のアンリ。妻のソニア(ともさかりえ)と子どもの寝かしつけに手を焼いていたところ、呼び鈴が鳴る。明日の夕食に招いた上司(段田安則)と妻(大竹しのぶ)が、なぜか今日やってきたのだ。家にあるのは食べ残しのお菓子くらい。作品では、こうした状況で始まるあまり楽しくない2夫婦のディナーが3度繰り返される。言い方や気分、微妙な違いによってそれぞれ思わぬ方向に進んでいく。
昼と夜、1日2回公演のことを…