映画やドラマで活躍を続ける、俳優柳楽優弥さん。5月18日、5年ぶりとなる主演舞台「CITY」が開幕します。作・演出は、マームとジプシー主宰の藤田貴大さん。初仕事となる藤田さんに寄せる深い信頼の裏には、一人の「恩人」の存在があると言います。
取材をしたのは、「CITY」の稽古が始まってから約2週間が経った頃。現代の都市を舞台に、「ヒーロー」を描くという物語の結末を「まだ、どうなるか分かっていないんです。台本を半分ぐらいしかもらっていないし……」。でも、その表情に、不安はみじんもなかった。作・演出の藤田貴大さんは、稽古場で俳優の動きを見ながら脚本を作りあげていくのがスタイル。本格デビューした映画「誰も知らない」で、是枝裕和監督から脚本を渡されず、口立てでセリフを伝えられた時の感覚を思い出した。「現場で作りあげていく感じが、うれしい。僕、藤田さんを完全に信じています」
初仕事となる5歳年上の演劇人に寄せる、期待と信頼の裏には、一人の「恩人」の存在がある。演出家の故蜷川幸雄さんだ。
「誰も知らない」で、カンヌ国…