(29日、プロ野球開幕戦 ソフトバンク5―4西武)
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プロ初登板の22歳が、相手に傾きかけた流れを止めた。ソフトバンクのドラフト1位ルーキー甲斐野央(東洋大)だ。
延長に入った十回にマウンドへ。「打者を全力で抑えることだけを考えた」。同点満塁弾を放っていた西武・山川を三球三振。続く森には155キロの直球、外崎も外角のフォークで空振り三振に切ってとった。
「延長は全部自分で投げるつもりでいた」。味方がその裏に勝ち越し機を逃しても、万一に備えて準備を続けていた。十一回も無失点、その裏のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
オープン戦では最終戦で危険球退場になっていた。「結果を残せていないのに1軍に残してもらった。その期待に、絶対に応えたかった」。2イニングを1安打5奪三振。開幕戦での新人プロ初勝利は2008年の久米勇紀(ソ)以来だ。満額回答に工藤監督も「自分を信じて投げる姿は、心強かった」と、最大限の賛辞を贈った。(藤木健)