河野太郎外相は2日の記者会見で、外務省内の文書での西暦表記について「何か大きくルール変更をするというわけではない」と述べた。外務省は原則として元号を使った和暦ではなく、西暦を使う方向で検討していたが、首相官邸や与党から異論が出てトーンダウンした。
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外務省の文書は、外交交渉に西暦を使う一方、省内向けには元号を併記するなど表記が混在している。河野氏は元号からの読み替えの煩雑さを理由に西暦表記の検討を指示していた。
これに対し、菅義偉官房長官は2日の記者会見で「外務省がそのような方針を固めた事実は聞いていない」と真っ向から否定。自民党の萩生田光一幹事長代行も同日の会見で「元号も大切にする役所であってほしい」と苦言を呈した。
河野氏は会見で「外国とのやりとりは西暦での表記を徹底する」と強調した。ただ、同省関係者によると、外交上のやりとりについては内部文書に西暦のまま記すことなどで収まる見通しだという。(清宮涼)