イラン全土で3月下旬に起きた豪雨の影響で鉄砲水や洪水が相次ぎ、3日までに少なくとも62人が死亡する大災害となっている。被災地では道路網が寸断されるなどして救助活動が困難で、死者がさらに増える恐れもある。イラン政府は、米国の制裁で海外からの援助や物資が受け取れない、と批判を強めている。
イラン司法当局や地元メディアによると、西部ロレスタン州や南部シラーズなど、南西部を中心に、少なくとも62人が死亡。全31州のうち25以上の州で洪水被害が確認され、家屋が流されたり、破壊されたりして、6万世帯が避難生活を強いられているという。
政府は約5300万ドル(約59億円)の緊急支援策を決定。現場では、救助部隊に加えて、精鋭部隊の革命防衛隊なども救援にあたっている。だが、河川の氾濫(はんらん)や土砂流出などで道路網が寸断された地域もあり、重機が運び込めないなど、救助活動や復旧作業は難航している模様だ。
一方、地元メディアは、被災した人たちの支援を担当するイラン赤新月社(赤十字に相当)に国際的な支援金や資材が届いていないと報じている。昨年5月に核合意から離脱した米国による経済制裁の影響で、送金や物資を受け取れない状態が続いているという。
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