中国軍の戦闘機2機が先月末、台湾海峡の中間線を越えて台湾側に飛行したとされる問題で、中国外務省の耿爽副報道局長は2日の記者会見で「台湾リーダーのでたらめ、狂言妄言には不愉快にさせられるが、いずれにせよ(中台に)外交問題はない」とし、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統を強く批判した。台湾海峡では米軍艦が頻繁に通過するなど緊張が高まっている。
耿氏は米国に対しても「中米間の合意に完全に背いており、米国が『一つの中国』原則を守り、台湾海峡の平和と安定を守るよう促す」と要求。米軍艦は今年に入って毎月、台湾海峡を通過しており、ペースが上がっている。
中国当局は戦闘機飛行の事実を明らかにしていないが、1日付の中国共産党系の国際情報紙「環球時報」は「台湾海峡の中間線など認めていないのが我々の政治的立場だ」とした。(北京=冨名腰隆)