主要7カ国(G7)外相会議に出席するため、フランス北西部ディナールを訪問している河野太郎外相は5日、カナダ、フランス、英国、欧州連合(EU)の外相らと会談した。
イタリアは3月、G7のメンバー国として初めて中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に参画する覚書に署名した。一方で、メンバー国の中には中国の影響力拡大を警戒する見方もあり、外務省幹部は、河野氏が会談した一部の外相からは「かなり厳しい中国批判が出た」と明らかにした。
G7外相会議は初日の5日、外国からの民主主義に対する介入やサイバー空間における国家の責任ある行動などを議論した。6日の会議では、各国が対中戦略について取り上げる見通しだ。河野氏は昨年10月の安倍晋三首相の訪中以来、日中関係が改善しつつあることを紹介しながらも、中国の海洋進出の問題などについて説明するという。2日目の会議が終わる6日に共同文書を発表する。
また、日英外相会談では、河野氏が英国の欧州連合(EU)離脱について、「日系企業、世界経済の影響を考え『合意なき離脱』は回避すべきだ」と求めた。ハント外相は「努力している」と応じたという。
日仏外相会談では、ルドリアン外相から日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)を再逮捕して勾留していることを問題視する発言があったという。(ディナール=鬼原民幸)