大リーグ・マリナーズの菊池雄星が10日(日本時間11日)、メジャー初勝利をかけて敵地でのロイヤルズ戦に先発する。移籍後では初となる、中4日でのマウンド。日本で最後に務めたのは、岩手・花巻東高の後輩・大谷翔平(エンゼルス)との熱投だった。
「シーズンの最後だったので、何かもう気力で、残りの体力を(全部つぎ込む)。最後の1試合だから、行こう! みたいな感じでやってました」
中4日の経験を聞かれた菊池からは7日、そんな言葉が返ってきた。
2016年9月28日。143球を投げてソフトバンクに敗れた同月23日の後、本拠地で行われた自身のシーズン最終戦に先発した。対峙(たいじ)したのは、優勝マジックを1としていた日本ハム。投げ合ったのは、3学年下にあたる大谷だった。
失点はレアードに浴びたソロ本塁打のみで、6回を1失点。十分に役割を果たしたが、後輩は15三振を奪い、被安打1で完封勝利。胴上げ投手となった。菊池は試合後「やれることはやったが、大谷がそれを上回る本当にすごい投球をしていた」とのコメントを残している。
日本では最後の力を振り絞った形の中4日だが、先発投手を5人で回す大リーグでは、それが日常となる。菊池は「早く投げたいという思いが強い。前回はチームも負けてしまって、それを早くいいイメージにしたい」。期間中はキャッチボールやブルペン投球を行い、ノースロー調整は行わない方針だ。疲れをためないことを心掛けながら、筋力も落とさない。そのバランスを保ちながら、メジャー初勝利に臨む。(カンザスシティー=井上翔太)