ニューヨーク、ロンドンで高い評価を受けたミュージカル「王様と私」が日本で上演される。異文化の出会いを描くこの作品を、主演の渡辺謙は今こそ必要だと語る。
どう演じるか、考えることをやめない。アメリカでの「王様と私」公演。通常ブロードウェーでは、代役で入る俳優が困るため、開幕後は演出を変えないものだが、特例として新しい演技を試みることを演出家に認めてもらった。
「稽古の時から試しては引くというのを繰り返したので、僕の癖(へき)みたいなものを理解していただいたんでしょうね。芝居のマイナスにはならないと。100やって、残っているのは20くらいなんですけど」
残った一つが名曲「シャル・ウィ・ダンス」で家庭教師アンナ(ケリー・オハラ)と踊った後のシーン。
思いが重なり、王としてではな…