関門海峡を結ぶ「下関北九州道路」事業をめぐる「忖度(そんたく)」発言問題で、野党4党の国会議員は15日、北九州市で地元自治体からの聴取を行った。村岡嗣政・山口県知事は「総理、副総理の地元だから特別な配慮をお願いしたい、と要望したことはただの一度もない」と語り、手続きの正当性を強調した。
聴取は、塚田一郎・国土交通副大臣=辞任=が、事業が計画される山口県選出の安倍晋三首相と福岡県選出の麻生太郎副総理の意向を「忖度した」と発言したことを受けて行われた。
立憲民主党の川内博史衆院議員が「何か特別な配慮が働いたのか」と聞いたのに対し、村岡氏は「特別に何かが働いたというものではない」と答弁。小川洋・福岡県知事も忖度発言に「戸惑った」とした。
国交省の内部手続きや必要性の検討状況への質問が相次いだが、同省や自治体の職員からは「確認したい」「承知していない」との回答が目立ち、自治体側が海峡の交通量の将来予測を持っていないことも明らかになった。調査団長の国民民主党の原口一博衆院議員は記者団に「肝心のところはまだこれから押さえていかないといけない」と追及していく姿勢を見せた。