群馬県警に今年度発足した「特殊詐欺抑止対策室対策第2係」が初めて特殊詐欺被害を阻止した。対策室はこれまで被害調査が中心だったが、新設の第2係は「実動部隊」として実際に被害阻止にあたる。“初手柄”を挙げた石岡昌幸警部補は「1件でも被害を抑止していきたい」と話した。
生活安全企画課によると17日午前、前橋市の中心部で還付金詐欺の予兆電話が相次いだ。第2係から2人組の警察官2組を市内のスーパーなどに派遣。午後0時半ごろ、スーパー店外設置の銀行ATM近くで軽乗用車を降りた高齢男性が、手にしたメモを見ながら携帯電話に出ようとしていたのを石岡警部補が見つけた。男性に説明し、だまされていると気づいてもらえた。男性宅には正午前から「国民健康保険の払い出しがあるのでATMに行けませんか」などと電話がかかってきていたという。
石岡警部補は「これまでの傾向から、詐欺に使われやすいATMなどは分かっている。今後も被害阻止に努めたい」と話した。(山崎輝史)