平成最後の「伝統の一戦」。甲子園には今季最多の4万6516人が詰めかけた。大勢はもちろん、リベンジを切に願う虎党たち。だが、ため息ばかりが渦巻いた。
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打ってダメ、守ってもダメ。悪い部分ばかりが目立つ試合だった。
この日は打率リーグトップの梅野を5番に据えた。が、空回り。四回1死一、二塁で投ゴロ併殺、六回2死一、二塁で二ゴロ。九回も投ゴロ併殺で最後の打者となった。「打ちたいという気持ちが強かった。出直してきます」と梅野。阪神戦3勝無敗のメルセデスを打ち崩せなかった。
守りでは先発・西の足を引っ張った。四回は糸原の失策によって先制点を献上し、九回も失策、悪送球、暴投が絡んで試合を決定づける3点目を与えた。
戦前から人気を二分してきた東西の老舗球団。2リーグ制後は劣勢が続くがその対抗心は強い。昭和60(1985)年に巨人・槙原からバース、掛布、岡田が放った「バックスクリーン3連発」は語り草。今も、巨人にだけは、との思いを抱く阪神ファンは少なくない。それが……。
巨人に開幕から1勝もできずに6連敗。平成を締める一戦は前日に続く零封負けで、平成通算318勝435敗(17分け)と大きく負け越して幕を閉じた。伝統を紡いできた1人、矢野監督は「(勝ちたいという気持ちを)もちろん強く持って戦っている。まだ先がある。リベンジできる形をつくっていきたい」。トラは目覚めるのか。時代は令和へと移る。(辻隆徳)
阪神から見た「伝統の一戦」対巨人の戦績
【昭和】
・1リーグ制時代(1936年~49年) 85勝 84敗 3分 勝率5割 3厘
・2リーグ制時代(1950年~88年) 410勝546敗51分 勝率4割2分9厘
【平成】(89年~2019年) 318勝435敗17分 勝率4割2分2厘
【令和】(19年~ ) ? 勝 ? 敗 ?分 勝率 ?
西(神) 打線の援護に恵まれず2敗目。「見ての通り、自分の責任です。自分たちのできることができなかった」