日本野球機構(NPB)は22日、プロ野球で昨年オフに引退、または戦力外通告を受けた選手の進路追跡調査(3月末現在)の結果を発表し、76・5%が引き続き野球関係の仕事に携わっていることが分かった。外国人選手と同一球団内で育成再契約した選手を除く136人が対象。一般企業への就職は11・8%で、前年(14・3%)より減少した。
136人の平均年齢は29・2歳、平均プロ在籍年数は8・3年で例年とほぼ同じ。このうちNPB関係の仕事が75人(55・1%)にのぼり、昨年の62人(49・2%)から増えた。トライアウトを受けるなどして他球団での現役続行は9人で例年並みだったが、育成契約をしてプレーを続ける選手が21人で前年の10人から倍増。このほか球団スタッフなど裏方に回った人が33人(前年34人)、コーチ就任が12人(同8人)などとなった。
NPB以外でも、独立リーグとの契約が12人(同7人)と増えた。育成契約と同様に、戦力外となっても再びNPBでのプレーを目指す選手が多いことがうかがえる。アマ野球関係では、社会人野球が10人(同15人)、学生野球の指導者が1人(同0人)。ヤクルトなどで活躍した田中浩康さんは、学生野球資格を回復して母校・早大のコーチに就いた。一方、テレビや新聞などの野球解説者・評論家になったのは前広島の新井貴浩さんら3人(同2人)で、相変わらず狭き門となっている。
野球以外の進路はここ数年30%前後で推移してきたが、今年は23・5%に減少し、調査結果の公表を始めた2010年以来最も低い水準となった。かつて人気だった飲食店などの自営・起業は1人(同2人)のみで、未定・不明が14人いた。