佐藤天彦名人(31)に豊島将之二冠(28)が挑戦する第77期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第2局は23日、山口県萩市の松陰神社・立志殿で再開し、2日目に入った。始まった直後から、豊島挑戦者が大長考。その後、戦いが始まり、局面は中盤戦を迎えている。
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1日目夕方に豊島挑戦者が封じ手にした53手目は、5筋の攻めを狙った▲5六歩だった。佐藤名人は想定の範囲内だったようで、その手を見て何度かうなずいた。次の△7五歩を8分で指した。
1時間35分の長考で指された▲5七金に対し、佐藤名人は△9四歩から△7六歩と戦いを起こした。▲同銀と取れば、△9四香から△7五歩と攻める狙いだ。豊島挑戦者はそれを避けて▲8八銀。先の展開を見越した深い読み合いが繰り広げられている。
解説を務める副立会人の山崎隆之八段(38)は「豊島挑戦者にはどこかで▲9三歩成とする狙いがあり、方針がわかりやすい。佐藤名人は、具体的な利が求められています」と話した。(村瀬信也)