体重無差別で柔道の日本一を決める男女の全日本選手権が、東京五輪の選考大会から除外される可能性が出てきた。五輪、世界選手権と合わせて「3冠」と呼ばれる伝統の大会。国際ルールとの違いや開催時期などを巡って、五輪の選考大会としてふさわしいかどうか、五輪の代表選考をする全日本柔道連盟などで議論されている。
「全日本選手権は五輪、世界選手権と同等か、それ以上の価値がある。階級という小さな枠組みにこだわらず、スケールの大きな柔道をしたい」。リオデジャネイロ五輪金メダルの大野将平(旭化成)は、そう語ったことがある。主戦場は73キロ級ながら過去2大会に出場した。幼い頃、「平成の三四郎」と呼ばれた古賀稔彦さんが重量級の選手をなぎ倒す姿を見て、全日本への出場を夢見ていたという。
もともと体重無差別で争っていた柔道が本格的に階級制となったのは1964年の東京五輪からだ。当時は軽量級、中量級、重量級、無差別の四つに分かれ、無差別こそ最強の柔道家を決める戦いだった。その後は現在の男女7階級が定着。一方で「無差別」は84年ロサンゼル五輪を最後に五輪から消滅し、近年は世界選手権でも無差別の勝負はなくなった。
全日本選手権を主催する柔道の…