改元に伴う10連休が27日、スタートした。異例の長さとなった休日を実家や行楽地で過ごそうと、鉄道や道路は初日から各地で混雑が広がった。
JR各社によると、東海道新幹線の下りは27日がピークで、東京発の「のぞみ」「ひかり」の多くで自由席の乗車率が100%を超え、午前6時発の博多行きは150%に達した。東北新幹線や北陸新幹線も混雑しており、JR東日本は臨時列車の本数を増やして対応しているという。
高速道路の下りも朝から渋滞が発生。日本道路交通情報センターによると、東名高速の秦野中井インターチェンジ(神奈川県秦野市)を先頭に31キロ渋滞したほか、関越道や東北道でも長い車列ができた。夕方までに渋滞は緩和したものの、下りは今後も午前中を中心に渋滞し、5月3日がピークと予想。上りは夕方が混雑しやすく、ピークは4、5日の見込みという。
成田空港も27日が出国のピークとなり、出発ロビーは朝からスーツケースを押す家族連れらで混雑した。夫、子ども2人とフィリピンのセブ島を旅行する神奈川県厚木市の桜井雅子さん(41)は「子どもの学校も10連休なので、海外に行くことを決めた。子どもと一緒にジンベエザメを見るのが楽しみ」と笑顔で語った。4月26日から5月6日の国際線旅客数は、昨年より14%多い109万900人と予測されている。
観光地も連休初日からにぎわった。新しい元号「令和」のゆかりの地となった福岡県太宰府市の坂本八幡宮も多くの観光客らが訪れ、参拝を終えた人たちは「令和」と書かれた額縁を手に記念撮影していた。
10連休は日本の景気を刺激するのか。関西大学の宮本勝浩名誉教授(理論経済学)の試算によると、経済効果は約2兆1395億円。「過去のゴールデンウィークと比べても圧倒的に経済効果は大きい」(宮本氏)という。
旅行、小売りの売り上げ、非正規労働者の収入減によるマイナス影響、の3要素から試算した。旅行や買い物での好影響は相当大きいとする一方で、宮本氏は「世間が浮かれるなか、休みで収入が減る人や、子どもを預ける場所がなく動けないといった人が、精神的に格差を痛感してつらくなってしまうのではないか」と懸念も示した。