性的少数者への理解を進める国内最大級のイベント「東京レインボープライド」のパレードが28日、東京・渋谷であった。主催団体の共同代表理事をつとめる、トランスジェンダーの杉山文野(ふみの)さん(37)は、パートナーと昨年生まれた子どもと参加した。平成に入ってから始まり、平成最後となるパレード。偏見や差別がなお残るなか、多様な家族の形があることを、知ってほしいと願う。
28日午後、パレードの先頭に立った杉山さんは仲間と記念撮影した後、言った。「平成の最後のパレードに、自分が父親になって歩けるなんて。感無量です」
杉山さんは、体は女性で心は男性のトランスジェンダー。女子フェンシングの元日本代表で、2006年、著書「ダブルハッピネス」でカミングアウトした。戸籍上は女性だが、男性として生きる。
一緒に子どもを育てたい――。つきあって8年になるパートナーの女性(35)と、そんな夢を数年前からぼんやりと持っていた。
ただ、実現には男性に精子を提供してもらい、人工授精する必要がある。つきあった当初は、周囲が2人の関係を認めなかった。「みんなに祝福されて生まれてきてほしい」。そう考え、待ち続けた。
本格的に考え始めたのは、20…