政情不安が続いている南米ベネズエラのカベジョ制憲議会議長は5日、先月30日に反マドゥロ派のグアイド国会議長による決起を支援したとして、野党の国会議員の不逮捕特権を取り消す方針を示した。与党の集会で語った。すでに検察が、野党議員18人の逮捕状を請求している。
マドゥロ大統領側近のカベジョ氏が議長を務める制憲議会は、国会とは別の機関。2015年の国会選挙で野党が勝利し多数の議席を占めたため、17年にマドゥロ政権が設置した。制憲議会の議員は全員マドゥロ派で、国会から立法権を奪った。
カベジョ氏は演説で、グアイド氏による決起を支持した野党議員について検察が逮捕に向けて捜査を進めているとし、「彼らの不逮捕特権を制憲議会で取り消す。正義は実現される」と述べた。
一方、野党勢力はこの日、治安部隊との衝突による死者の追悼集会をカラカス市内で開いた。現地NGOなどによると、これまでに5人の死亡が確認されている。(岡田玄)