中米エルサルバドルの大統領に1日、二大政党制を打ち破って当選したナジブ・ブケレ前サンサルバドル市長(37)が就任した。前政権下の昨年8月に台湾と断交して中国と国交を結んだ過程について、検証する考えを打ち出している。また、中国の中南米進出に神経をとがらせる米国に急接近しており、今後の動向が注目される。
ナジブ氏はサンサルバドル中心部の国立宮殿前の広場で行われた就任式典に、妊娠中の妻ガブリエラ・ロドリゲスさんと登場。就任演説では同国が直面する治安悪化や経済低迷を念頭に、「我々の国は病んだ子どものようだ。みんなで癒やしていかなければならない」と団結を呼びかけた。
エルサルバドルでは1992年の内戦終結以来、右派の国民共和同盟と左派で元ゲリラのファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)が政権を担ってきた。この10年はFMLN政権が続いたが情勢は好転せず、2月にあった大統領選では第3の政党で中道右派の「国民統合のための大連合」(GANA)から出たブケレ氏が大衆の人気を集め、圧勝した。
対中関係をめぐり、ブケレ氏は…