薬物捜査の専門集団「マトリ」の一つ近畿厚生局麻薬取締部(大阪市中央区)が今春、「再乱用防止対策室」を立ち上げ、依存症者の回復支援に乗り出した。再犯者の多い薬物犯罪の連鎖を断ち切る狙いがある。
薬物乱用者はゾンビみたい? 依存症の実態は
マトリは、厚生労働省の全国の出先機関12カ所にある麻薬取締部(支所・分室を含む)の通称。所属の麻薬取締官が薬物事件に特化して捜査にあたる。関東信越厚生局麻薬取締部が、ミュージシャンで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)被告(52)=麻薬取締法違反の罪で起訴=の事件を手がけ、注目を集めた。
薬物をめぐっては依存症者の再犯防止が課題になっている。依存性が高い覚醒剤では年々、再犯者率が上がり、厚労省などのまとめによると、2017年では検挙者1万284人のうち65・5%が再犯者だった。
近畿厚生局麻薬取締部では麻薬…