不正入試が明らかになった東京医科大のこの春の一般入試で、男女の合格率がほぼ同じになっていたことが分かった。同大は長年にわたって女子受験生の成績を一律に抑制していたが、その影響がなくなったとみられる。
同大が20日にホームページで公表した資料によると、今年の一般入試は男子498人、女子288人が受け、男子84人、女子48人が合格。合格率は男子16・9%、女子16・7%だった。また、大学入試センター試験利用の入試は男子206人、女子136人が受け、男子52人、女子36人が合格。こちらの合格率は男子25・2%、女子26・5%だった。双方の入試を合計した合格率は男子19・3%、女子19・8%で、女子が上回った。
センター利用を含めた昨年の合格率は男子が8・5%で、女子が2・4%と、3倍以上の開きがあった。第三者委員会の報告書などによると、同大は2006年度から、女子や浪人回数の多い受験生が不利になる得点操作を行っていた。特に18年度は、女子の合格率が低く、当時の学長が「去年は女性が多かったから、今年は男性を多く取りたい」と入試委員会で発言したことなどが影響していたとみられる。
浪人回数が多い入学者も増えた。
18年度一般入試の入学者85人のうち「4浪以上」にあてはまるのは1人(1・2%)だけだったが、今年度一般入試入学者59人をみると、4浪以上にあたる22歳以上は8人(13・6%)で、大幅に増加。一方で、現役生の割合は18年度は28・2%だったが、今年度は22・0%に下がった。
不正入試の影響を受け、今年度一般入試の受験生は、18年度の3割程度の786人と激減。競争率が下がり、合格率は大幅に上がった。(山下知子、上野創)