財務省が22日発表した4月の貿易統計(速報値、通関ベース)は、輸出額が前年同月より2・4%減の6兆6588億円で、5カ月連続で前年水準を下回った。米中貿易摩擦などの影響を受けて減速が続く中国向けを中心に、外需の落ち込みが鮮明となっている。
輸出では特に半導体等製造装置の落ち込みが激しく、前年より15・1%減少した。中国向けの液晶製造用装置が減ったのが主な要因という。液晶はテレビやスマートフォンなど様々な製品に使われている。
中国向けの輸出額全体は同6・3%減の1兆2329億円。半導体などの電子部品も大幅に減り、中国で製造業の生産が低調なことが映し出された。
一方、全体の輸入額は前年同月より6・4%増の6兆5983億円で、2カ月連続で前年より増えた。原油価格が上昇傾向のため、原粗油の輸入額が13・8%も増えた。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は604億円の黒字で、3カ月連続の黒字となった。(岩沢志気)