27日の日米首脳会談で、トランプ大統領が貿易交渉の8月合意に期待感を示した。「参院選後」となったことで恩を売られた形にもなり、日本政府には困惑も広がる。米国が軍事的圧力を強めるイランをめぐっては、イラン訪問をめざす安倍晋三首相が両国の板挟みになる懸念も浮き彫りになった。
日米貿易交渉、決着は参院選後に先送り 首脳会談で一致
「おそらく8月に両国にとって素晴らしいことが発表されると思う」。首脳会談の冒頭、トランプ大統領はさらりと貿易交渉の妥結時期の見通しを示した。
トランプ氏は前回4月の日米首脳会談の冒頭では、「(5月末の)訪日の際に日本でサインするかもしれない」とぶち上げていた。
米側が求める農産物の関税引き下げに日本国内の農家が神経をとがらせる中、政権としては夏の参院選前の合意は絶対に避けたいところだ。茂木敏充経済再生相がライトハイザー米通商代表に「参院選前に日本国内で批判を浴びるようなことになれば、米国は取れるものも取れなくなる」と再三クギを刺していた。
このため参院選後となったことに、政府関係者の間には「日本側が説得した効果が出た」と安堵(あんど)の声がある。今回、新天皇即位後初の国賓として迎えたトランプ氏に対し、安倍首相は大相撲観戦やプロゴルファーの青木功さんを伴ったゴルフなど、異例の厚遇でもてなした。トランプ氏は26日のゴルフ直後、首相への「配慮」をにじませる形で「多く(の成果)は7月の選挙後まで待つ」とツイートした。
ただ、政府には「8月」と時期…