安倍晋三首相は30日、東京都内であった経団連の定時総会で、夏の参院選との同日実施もささやかれる衆院の「解散風」をめぐり、「風は気まぐれで、誰かがコントロールできるようなものではない」とあいさつで述べた。首相が自ら解散に言及したことで、永田町に吹く「風」はまた一段と強まりそうだ。
安倍首相は、4月の訪米時にトランプ大統領と強風の中でゴルフをした話を紹介する中で、「風という言葉に今、永田町も大変敏感だ」と言及。その後、「一つだけ言えることは、風はきまぐれ」と、解散風の話題を切り出した。
一方、菅義偉官房長官は同日夕の記者会見で、首相の発言を踏まえた上で解散風について問われると、「無風ではないか」と、対照的な受け答え。菅氏は17日の記者会見で、内閣不信任案の提出が解散の大義になるかと問われ、「当然なる」と答えていた。
自民党中堅議員は「風が吹いたりやんだり。首相らは野党に揺さぶりをかけているんだろう」と話した。(及川綾子)