北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、金正恩朝鮮労働党委員長が北部の慈江道(チャガンド)を経済視察し、「幹部らの働きぶりが本当に駄目で深刻だ」と批判したと報じた。正恩氏は2月末の米朝首脳会談が物別れで終わった後「経済の自力更生」を強調しており、内部を引き締めるねらいがあるとみられる。
同通信によると、正恩氏は、全面改修が終わった慈江道の教育施設「学びの千里の道学生少年宮殿」を視察した際、「設計や施工、管理運営のすべてがうまくいっていないのを見て不快になり、とても失望した」と不満を吐露。「ここを見てわかるように、いま一番の懸案は幹部らの思想だ。党が求める水準に達していない」と述べた。
正恩氏の経済視察を北朝鮮メディアが報じるのは、5月9日に日本海に向けて短距離弾道ミサイルを発射した後初めて。同通信は日時を明らかにしていないが、ほかにトラクター工場や精密機械工場などを視察したとしている。(ソウル=武田肇)