(9日、プロ野球交流戦・阪神4―3日本ハム)
ファンを歓喜させ、矢野監督を泣かせる一打だった。大腸がんを克服した阪神の原口が、真の意味で帰って来た。満員の甲子園。サヨナラ打でお立ち台に上がり、「みんな、ただいまー」。白い歯がこぼれた。
ドラマは九回2死から。高山、北條の連打で一、三塁とし、代打原口がコールされる。4日に1軍復帰してから5打席目。登場すれば、その日一番の歓声を浴びる。そんな状況でも「いつもと変わらず集中できるんです。そこは去年と変わらない」と言う。昨季は代打打率4割超。勝負強さは健在だった。北條が二塁に進んで二、三塁。3球目の外角スライダーに食らいつく。打球は中前で弾んだ。
原口の姿からは「神様は乗り越…