埼玉県東松山市材木町の集合住宅の一室で13日午前7時15分ごろ、住人で介護施設職員の渡辺真澄さん(38)が倒れているのを同僚(51)が見つけ、110番した。県警によると、警察官が駆けつけた際、渡辺さんはすでに死亡しており、遺体を調べたところ、上半身に複数の刺し傷が確認されたという。現場の状況などから県警は14日、殺人事件と断定し、東松山署に捜査本部を設置した。
県警によると、渡辺さんは5階建て集合住宅1階のワンルームに1人で暮らしていた。11日は出勤して夕方には職場を出たが、12日に連絡なく欠勤したため、同僚の女性が13日朝、様子を見に行き、遺体を見つけた。玄関のドアは施錠されておらず、渡辺さんは室内のユニットバスの出入り口付近で倒れていたという。
傷は胸や腹にあり、刃物のようなもので刺されたとみられる。県警は、11日夕方以降に渡辺さんが殺害されたとみて、遺体を司法解剖して詳しい死因などを調べている。
現場は東武東上線東松山駅から北東に約500メートルの住宅街にある。
複数の住民によると、住民どうしの交流は少ないといい、渡辺さんと同じ階に住む50代のブラジル人女性は渡辺さんについて「見たことがない」という。近くに住む女性(86)は「60年以上ここで暮らしているが、このような話を聞くのは初めて。早く真相が明らかになってほしい」と話した。