埼玉県所沢市で市立中学2年の男子生徒(13)が刃物で刺され死亡した事件で、逮捕された少年(14)=殺人容疑で送検=が先月、担任に「5月中旬以降、20回くらい腕をつねられた」などと男子生徒との関係を相談していたことが市教育委員会への取材でわかった。少年のその後の話などから、担任はしばらく様子を見ることにしていたという。
居間で刺したか 玄関まで血痕続く 所沢中2刺殺
9日夜、学校の緊急保護者会終了後に市教委が明らかにした。相談があったのは6月上旬で、少年は「5月中旬以降につねられた」などと話したという。担任は少年と話し合いの場をもち、少年が「(男子生徒が)もうやらないと言っている」と話したため、いったん収まったと認識し、様子を見ることにしたという。市教委は、第三者委員会をつくり経緯を詳しく調べる方針も明らかにした。
捜査関係者によると、県警も少年が「つねられたり嫌な言葉を言われたりした」と相談していたことを把握。調べに対しても「つねられたことがある」と供述しており、県警は事実関係を慎重に調べている。
少年は事件当日の5日の出来事について「以前教科書を隠され、問い詰めたが否定されたのでけんかになった。台所にあった包丁で刺した」などと供述。少年宅の1階の6畳ほどの居間から玄関にかけて血痕が残っており、台所は居間に隣接している。県警は居間で男子生徒とトラブルになった少年が台所から包丁を持ち出し、刺した疑いがあるとみている。