埼玉県警機動隊のプールで2012年、水難救助部隊の佐々木俊一巡査(当時26)が訓練中に水死したのは指導役の隊員らによる暴行が原因だとして、遺族が隊員5人と県に約1億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、さいたま地裁であった。谷口豊裁判長は、県については指導監督体制の不備などを指摘して責任を認定し、約9200万円の支払いを命じた。
指導役の隊員1人については16年9月、同地裁で業務上過失致死罪で禁錮1年6カ月執行猶予3年の判決が出ている。今回の判決はこの隊員の行為を「傷害の故意を伴う」と認めたが、訓練と無関係の私的制裁や共謀があったとはいえないとして、5人への請求は棄却した。
判決によると、佐々木さんは12年6月29日、プールで潜水訓練中に訓練の指導役に複数回、体を水に沈められるなどして水死した。
県警は「判決内容を十分に検討し、関係部署と協議のうえ適切に対応したい」とのコメントを出した。